34歳の亜希子は
Pairsで婚活していた。
しかし会えども会えども
好きになれる男が現れない。
「これは婚活なんだから!」
と自分に言い聞かせ
ときめかない男と
無理やり付き合って
みたこともあるが
フェードアウトされて
しまった。
ヤケクソになった亜希子は
「もうイヤ!息抜きしよ!
チャラ男と遊んでやる!」
とTinderに登録した。
完全に遊びのつもりだったので
条件はよく見ず
写真の印象だけで
2つ上の男性と
マッチング。
日焼けした笑顔が
少年ぽい雰囲気だ。
数往復のやりとりで
電話に移行。
特にかしこまらず
素のままで話し始めると
思いのほかスムーズに
会話が続く。
趣味の話、
仕事の話、
日常の話、
あっという間に
2時間が過ぎた。
結婚を意識せず
純粋な好奇心だけで
会話できたことに
心地よさを感じた。
婚活中は経験
できなかったことだ。
翌日、実際に会ってみると
さらに意気投合。
「あれ?彼との会話、
すごく楽しいかも...」
と胸の高鳴りと
同時に告白され
とんとん拍子で
付き合うことに。
「アプリで好きな人が
できたあああ涙」
とたいそう喜んでいた。
が、それもつかの間、
最初こそグイグイきて
ご馳走もしてくれた彼だったが
2か月を過ぎた頃から
トーンダウン。
LINEの返信が遅くなり
デート代を出し渋るなど
雑な対応が増えてきた。
極めつけが花火大会。
亜希子は気合いを入れて
浴衣を着て行ったのだが、
彼氏は写メをまったく
撮らなかったという。
付き合いたての彼女の
浴衣姿に興奮しない男...。
モヤった亜希子は
結婚願望について
聞いてみた。
「え?ないよ?」
とあっさり否定。
愕然とする亜希子。
交際は3か月で終了した。
当初、彼と会えた理由について
亜希子は
「婚活!婚活!と
力まないのが良かった!」
と言っていた。
「好きな男ができたおかげで
性格が丸くなったし、
女性らしくなれた。
たとえ結婚できなくても
後悔はないわ!」
とまで言っていた。
しかしあれだけ
「これは息抜き!」
と言っていた亜希子でも
いざ結婚できないことがわかると
激しく落ち込むのだった。
一体彼女は何がしたかった
のだろうか。
好きな男と付き合いたい?
結婚したい?
どちらでもない。
好 き な 男 と
付 き 合 っ て か ら
結 婚 が し た い。
うーん、しかし
亜希子は34歳だ。
子どもが欲しいなら
チャラチャラ恋愛してる
場合ではない。
なにも恋愛するな!
と言いたいわけではない。
婚活で結婚した人だって
みんなちゃんと恋愛感情を
持って結婚している。
(じゃないと続かんよ)
しかし
「好きになれる人を見つけて
楽しくデートしてから
結婚したい!」
などと言ってる人は
楽しいデートをすることに
意識が向いてるので
ヤリモクに引っかかりやすく
高確率でヤリ捨て
られて終わる。
そもそもこの彼は
遊び!という気持ちで
付き合い始めたのだから
遊ばれて終わっても
望み通りになったとしか
言えずフォローもしずらい。
最終目標が結婚なら
やはり最初から
結婚に向けて
行動すべきだろう。
そのためには
付き合うときに必ず
結婚前提かどうか
確認することだ。
男は「結婚前提」の4文字を
出されるとだいたいヒヨる。
ヒヨるということは
結婚願望がない
ということなのだから
見切ればよい。
そうすれば亜希子も
フェードアウト男や
3か月彼氏と
ムダな時間を過ごさずに
済んだのでは
ないだろうか。