書評:うちの子が結婚しないので(垣谷美雨・著)

うちの子が結婚しないので(垣谷美雨・著)

 

マンガだと思って買ったら

小説だったので

一瞬「ゲ!」と思ったが、

とても読みやすく

昨今の婚活事情を的確に描いた

良作であった。

 

テーマは「親婚活」。

親婚活とは親が子どもの代わりに

お見合いをすること。

ホテルの会場に数十人

ときには100人を超える親が

子どもの身上書を持ち寄り、

面談して交換し、持ち帰って

それぞれの子どもが検討する。

お互いの希望が合えば

デートをしていく...らしい。

 

テレビでは見たことがあったものの

実態はよく知らなかったが

読み進めるにつれ

親婚活に参加する親の気持ちは

完全に婚活してる人の

それと同じすぎて悶絶した。

 

男性が、中年太りしてないという、単にそれだけのことで、この中ではまるでアイドルのようにかっこよく思えてくる。今更だが、ここは女が誰ひとり言い寄ってこない男ばかりが参加するところなのか。

中年太りにもかかわらず、趣味の欄に「スイーツ食べ歩き」だとか「グルメ」と書いている男性が多いところを見ると、肥満の自覚はなく痩せる努力もしてないらしい。今はまだ若いからいいかもしれないが、そのうち生活習慣病になりそうで心配だ。

これなんかまんま

「わたしが書いたのか?」

と錯覚するような文章だわ。

 

主人公は57歳の母、千賀子。

もうすぐ30歳になる娘の将来を案じて

親婚活に参加を決めるのだが

  • いきなりタメ口の親
  • 嫁を家政婦扱いする親
  • デブすぎる親
  • 世代が違いすぎる親
  • エリートで見下してくる親

などに会い、けちょんけちょんな

対応をされる。

どうして娘が見下されなければいけないのか。そんなのにお宅の息子は偉いんですか?今日一日で、性格が大きく歪む予感がした。今よりもっと卑屈な人間になるのか。

自分ならともかく

娘が値踏みされた現実を

目の当たりにした

母親の切なさがよく描かれてる。

 

いいと思う人には断られ

いいと思われる人は断ってばかりとか、

でも娘より悪条件の子を抱えた親が

さらに苦戦してるのを見て

ちょっと安心(?)したりとか、

「娘が結婚しました」と書かれた

友人からの年賀状に

胃がキリキリするとか、

電車の中で娘の結婚相手に

なりそうな若い男を物色したり

といった描写もとにかくリアルだ。

 

大切な我が子だけでなく、親までもが品定めされ、容赦なく切り捨てられる。その屈辱感や傷心に耐えられる母親が、いったいどれほどいるだろうか。

心の底から相手のことや相手の親を大切にし、女性を下に見ていない男など滅多にいない。そういったことも、この親婚活で学んだ。

つ、つらい...w

 

「婚活がうまくいかないのは

わたしが美人じゃないからだ」

と卑屈になる娘に対し

「そんなことはない」

と否定する千賀子。

「じゃあわたしがとびきりの

美人だったとしても

同じ結果だったと思うか?」

とキレられぐうの音も出ない

シーンとか。

つらい...w

 

途中、子連れで離婚した姉や

独身のままキャリアを積んだ友人、

資産家に嫁いだ友人の娘など

様々な立場の女性を

登場させることで、

結婚の闇と光を同時に見せてくる

ので読者も本当にいろいろ

考えさせられる。

 

婚活に嫌気がさし、

独身でもいいと開き直る娘に

千賀子の夫が投げかける言葉も

ド正論だけにつらい...w

独身もいいが一人で荒野に立つような緊張感を常に持ち続けることだ。そういう覚悟はあるのか?

 

ほかにも親婚活の主催者が

アドバイスするお断り方法、

中国のお見合い事情、

プロカメラマンによる写真撮影の様子

など婚活あるあるが

これでもかと盛り込まれていて

「リアル~リアル~超リアル~」

とずっとつぶやいてたら

あっという間に

読み終わってしまったw

 

独身の子を持つ親御さんにとっては

婚活市場の現実を知る

よい教材になるだけでなく

いま婚活してる人が読んでも

十分共感できるだろう。

初版は2019年だから

まさにいまの婚活世相が

反映されている。

おすすめ。

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